歯周病予防におすすめな歯磨き粉はどれ?チェックすべき配合成分とタイプ

歯周病は歯を支えている歯茎や骨などが壊れていき、最終的に歯が抜けてしまうこともあります。進行してしまった歯周病は歯医者さんで治療をしても、完全に元の健康な状態に戻すことができません。歯の寿命を長くするためには、歯周病を防いでいくことが大切なのです。

歯周病予防には、丁寧な歯磨きが欠かせません。歯の磨き残しによって生じるプラークと呼ばれる菌の塊(かたまり)は、歯周病の原因となります。毎日の歯磨きでプラークをしっかりと取り除いていきましょう。

歯磨きの際には、プラークを分解する働きや、歯茎の炎症をおさえる働きのある成分などが入っている歯磨き粉を使用すると歯周病予防に効果的です。そこで、歯周病予防に適している歯磨き粉をご紹介します。

また、歯周病を防ぐために知っておきたい歯磨きのコツなどもお伝えします。

この記事の目次

1.歯周病を防ぎたい人におすすめの歯磨き粉5選

歯周病が気になり始めたら、まずは歯磨き粉選びを見直してみましょう。歯周病予防に有効とされる歯磨き粉には、いくつかタイプがあります。

それぞれの特徴を理解して、自分にふさわしいものを選んでください。

1-1.歯周病に有効な3成分配合

歯周病を防ぐのに効果的といわれる3つの成分「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」「イプロシン-アミノカプロン酸」「酢酸トコフェロール」が入っている歯磨き粉があります。

IPMP(イソプロピルメチルフェノール)は歯周病の原因となる菌を殺菌する力にすぐれています。

そして、イプロシン-アミノカプロン酸は歯茎の腫れや出血をおさえ、酢酸トコフェロールは歯茎の血行を良くして健康な状態に保つ効果があります。

上記に加えて、研磨剤が入っていない商品は、歯茎を傷つけてしまう心配がありません。

粘り気の高いジェルタイプの商品は、歯周ポケットにしっかりと入り込み、有効成分が長く働きかける効果も期待できます。

1-2.塩素クロルヘキシジン配合 フッ素コートジェル

強い殺菌力があるといわれる塩素クロルヘキシジンが配合されている歯磨き粉で、さらにフッ素も配合されている商品は、歯周病だけでなく歯を強くしたい人にもおすすめです。

上記に加え、研磨剤と発泡剤が含まれていないものは、歯茎にやさしく、余計な泡立ちがないのでゆっくりと丁寧にブラッシングできるメリットもあります。

1-3.しみない歯磨き粉

歯磨き粉を使うと歯がしみる人におすすめの歯磨き粉です。痛みを感じにくくする硫酸カリウムと、歯の神経とつながっている象牙細管という細い管を閉じる働きのある乳酸アルミニウムが配合されているので、歯がしみる知覚過敏に悩まされている人にぴったりです。

また、研磨と発泡の力がおさえられているので、ソフトな使い心地も魅力です。

1-4.口臭予防効果もある歯磨き粉

プラークに浸透して殺菌するIPMP(イソプロピルメチルフェノール)と、IPMPをより浸透しやすくするPEG(ポリエチレングリコール)が配合されている歯磨き粉があります。

さらに、口臭を予防する効果があるとされるLSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)も入っている商品は、歯周病だけでなく気になる口のにおいも防ぐことができるでしょう。

低発泡性でおだやかな香りをしているので、長時間のブラッシングに適しています。

1-5.ソフトペーストの歯磨き粉

ソフトペーストなので口の中に長くとどまり、フッ素がすみずみまで行き渡りやすい歯磨き粉です。

歯や歯茎にやさしい低研磨性の商品もあり、泡立ちが少なく、すすぎの際の水も少量ですみます。

2.歯周病を防ぐための歯磨き粉の選び方

2-1.「医薬部外品」を選ぶ

歯磨き粉には「医薬部外品」と「化粧品扱い」のものがあります。歯周病を予防するためは、薬用成分が配合された医薬部外品を選びましょう。

医薬部外品といっても、どのような薬用成分が含まれているのかは商品によって異なります。購入前に配合されている成分を確認して、歯周病を防ぐために必要なものを選んでください。

2-2.歯周病に有効とされる薬用成分

歯周病予防に効果的に働くとされる代表的な薬用成分をご紹介します。歯磨き粉選びの参考にしてください。

IPMP(イソプロピルメチルフェノール)・トリクロサン・CPC(塩化セチルピリジニウム)
高い殺菌作用により、歯周病と口臭を防ぐ働きがあります

デキストラナーゼ
プラークを分解して取り除くほか、プラークの付着を防ぎます

オウバクエキス
抗炎症作用と収れん作用があり、歯周病の予防に効果的です

トラネキサム酸
抗炎症作用により、歯茎の出血や歯周病を予防します

酢酸トコフェロール
歯茎の血のめぐりを良くして歯周病と口臭を防ぎます

塩化ナトリウム
収れん作用により、歯周病と口臭を防ぎます

モノフルオロリン酸ナトリウム
溶け始めた歯の表面を修復する働きをサポートして、強い歯をつくるのに役立ちます

3.歯周病を予防する歯磨きのコツ

3-1.歯磨き粉の量

歯磨き粉はたっぷりと使えば良いというわけではありません。歯ブラシに1.5センチほどつけるだけで十分な効果を期待できます。

歯磨き粉の量より大切なのが、ブラッシングです。

歯磨き粉をたくさんつけてしまうと泡立ちによりブラッシングしにくくなるだけでなく、しっかりと磨けたつもりになってしまうことが多いので気をつけてください。

3-2.ブラッシングをしっかりと

歯周病を防ぐためには、歯ブラシでプラークをしっかりと取り除かなければなりません。だからといって、力強くブラッシングをしてしまっては歯茎や歯の表面を傷つけてしまいます。歯ブラシはペンを持つようにして余分な力を入れずに使いましょう。

また、歯や歯茎に対して45度くらいの角度で歯ブラシをあてるとプラークを落としやすくなります。

そして、歯と歯茎の間に歯ブラシの毛先を少し入れるようにしながら横に1ミリメートルくらいずつ細かく動かしていきます。このように歯を1本ずつ丁寧に磨いていくと歯周病予防に効果的です。このやり方を「バス法」といいます。

3-3.歯間ブラシやデンタルフロスを使用

歯ブラシだけでは、どうしても汚れを落としきれない部分があります。

特に歯と歯の間は汚れがたまりやすいので、歯間ブラシやデンタルフロスを使いましょう。歯ブラシで歯磨きを終えたら、歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間のプラークを落としていきます。

3-4.夜にしっかりと磨く

食事を終えるたびに歯磨きをするのが理想ですが、実践するのはなかなか難しいでしょう。時間がないために適当に歯磨きをしても、あまり効果は得られません。

大切なのは、丁寧に磨くことです。毎食後に歯磨きができなくても、夜寝る前に時間をかけて1本1本磨くことは忘れないでください。

4.歯周病の原因を知ってしっかりと対策を

4-1.歯の磨き残しが歯周病の原因となる

歯を十分に磨かないとプラークと呼ばれる菌の塊(かたまり)が歯に付着します。このプラークが歯周病を引き起こすのです。

歯周病を予防するためには、丁寧な歯磨きを毎日続けることが基本となります。

4-2.歯周病は気づきにくい

歯周病は症状が悪化するまで自覚できないことがほとんどです。歯周病の初期には痛みなどもあまりないので、知らないうちに症状が進んでしまう恐れがあります。

歯医者さんで定期的に検診を受けるほか、歯茎の色や腫れ具合などを鏡でチェックする習慣をつけるとよいでしょう。

4-3.40歳ころから歯周病対策は必須

歯周病になる人は、40~50代で急増します。このくらいの年齢になったら自覚症状がなくても、歯周病対策を始めることをおすすめします。

加齢により免疫力も低下しているので、生活習慣に気をつけてストレスをため込まないように心がけることも大切です。

5.まとめ

歯周病予防には、薬用成分の入った歯磨き粉で毎日しっかりと歯磨きをすることが重要です。

しかし、歯磨きだけでは歯と歯茎の間に奥深く入り込んだプラークを落としきれません。定期的に歯医者さんに通って、歯周病を防いでいきましょう。

 

執筆者:歯科こえ 編集部

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