年齢とともに気になるのが、肌のたるみ…。顔の皮膚がたるんでこないように、表情筋を動かす体操に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか?
しかしその体操、少し待ってください。実はその体操に“思わぬ落とし穴”があるようなのです。
「医療法人社団 清優会 はなふさ皮膚科」理事長の花房火月医師にお話を伺い、たるみが起こるメカニズム、肌を若く保つための方法などを解説していただきます。
なぜ皮膚は垂れてくる?2つの大きな要因
Q1.なぜ年をとると顔の皮膚は垂れてくるのでしょうか?
まずはコラーゲンやエラスチンといった線維、その線維の間を満たしている基質などが減っていくことが挙げられます。ようは、顔全体のボリュームを維持しているものがなくなっていくので、風船がしぼむように垂れてくるのです。
次に、支持組織の劣化。脂肪というのはコンパートメントに分かれて肌にくっついているんですが、それを支持している組織が劣化してくることで脂肪組織が下落し、たるんでしまうんです。
線維の減少、指示組織の劣化、この2つが大きな要因です。
効果はない?表情筋を動かす体操
Q2.肌を若く保つために、顔面の体操は有効なのでしょうか?
表情筋を動かして、シワ・たるみを予防しようとしている方がいらっしゃると思いますが、良いとも悪いともいいにくい方法です。肌の筋肉の動きが過剰になってできるシワというのもあるんですね。
例えば、眉を上げて額にシワをつくる筋肉・前頭筋(ぜんとうきん)を動かしすぎると、額に横シワができてしまいます。
眉間の皺眉筋(しゅうびきん)を動かす運動をやりすぎると、眉間にシワが入ってしまいますよね。単に表情筋を鍛えることが、肌を若返らせることにはつながらないんです。
なので、顔の体操というのはかなり難しいんですが、唯一いいかなと思うのは、口角を上げる体操です。口角は年齢とともに下がってきますので、口角を上げる筋肉は鍛えておくといいと思いますね。
ジョギングなどの有酸素運動を定期的に行うことで血流がよくなるので非常にいいです。または、体の“筋トレ”。筋肉を付けることでも血流がよくなり、成長ホルモンの分泌も促進されるので、シワ・たるみを予防するということにつながります。
肌を“コロコロ”する美顔器に関しては、本当に効果が期待できるのかなど、かなりクエスチョンです…。
コラーゲン入りの製品とのつきあい方!
Q3.コラーゲン入りの商品は、肌にいい影響を与えてくれるのでしょうか?
コラーゲン入りのドリンクなどを摂取するのは、あまり意味がないということになりますね。コラーゲンを取り込んでも胃の中でアミノ酸に分解されてしまいますので、直接肌に届くということがないんです。
効果があるという報告もあるのですが、期待はできないと思いますね。
また、コラーゲン入り化粧水などですが、塗ったことで吸収され、肌のコラーゲンになるわけではないんです。
そういった意味では期待はできないのですが、保湿としての作用はありますのでケアに利用することはいいと思いますよ。
監修日:2020年3月5日
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