日焼けをしやすい・しにくいなどは、体質によって変わるのでしょうか。また、夏だけではなく冬でも日焼けをすることはあるのでしょうか。
「医療法人社団 清優会 はなふさ皮膚科」理事長の花房火月医師にインタビューを行い、日焼けに関する悩みを解説していただきます。
さらに、日焼けが人体に与える影響や、日焼け後の正しいケアについても答えていただきました。
※前回の記事「ピアス、足の臭い、タトゥーなど!皮膚科で受けられるさまざまな診療」
この記事の目次
冬でも日焼けはする?日焼けをしやすい・しにくい体質
Q1.日焼けをしやすい・しにくいといった体質はあるのでしょうか?
フォトスキンタイプといいまして、生まれつき持った体質が大きいです。
まずは、フォトスキンタイプ1。これは、もともとの肌がとても白い北欧の人たちですね。紫外線を浴びると肌が赤くなりますが、その跡で皮膚が黒くなるということがありません。日本人にはほとんどいませんね。
次にフォトスキンタイプ2。紫外線を浴びると肌が赤くなって、少し皮膚が黒くなります。
そして、日本人に多いのがフォトスキンタイプ3。強い紫外線を浴びますと赤くなって、そのあと皮膚が黒くなります。
フォトスキンタイプ4の方は、紫外線を浴びると肌が赤くならずに、黒くなるだけです。
フォトスキンタイプ5という方になると、もともと皮膚の色が濃いため紫外線を浴びても、あまり変わりません。
フォトスキンタイプ6というのは、黒人の方々ですね。
Q2.冬でも日焼けをすることはあるのでしょうか?
冬でも紫外線は降り注がれていますので、晴れた日にずっと外にいると基本的に日焼けはしますよ。
Q3.なかなか日焼けが戻らない理由を教えてください
日本人に多いのがフォトスキンタイプ3から4の方ですが、4に近い人ほど黒くなって、色が抜けにくいという傾向があります。そういった意味で遺伝的な要因も含んでいますね。
Q4.日焼けを戻すより良い方法はありますか?
黒い色素であるメラニンは、紫外線から体を守るためにつくられているので、定期的に紫外線を浴びていると、黒くなりやすいですし、色が抜けにくいです。
ですから紫外線をなるべく浴びないようにすることで、肌の色は戻っていくでしょうね。
Q5.日焼けを治療で治す方法はあるのでしょうか?
日焼けして褐色になっている状態・サンタンは治療対象にはならないです。
ただし、肌が赤くなっている状態・サンバーンは、やけどの一種なので、ステロイドや保湿の外用薬を処方したり、ひどい場合ですとステロイドの飲み薬を短期間処方したりすることもありますね。
日焼けが人体に与える影響は?プラス、マイナスな面を解説
Q6.日焼けが、人体に影響するプラスな面、マイナスな面はありますか?
ビタミンDを生成するというプラスな役割があります。あまり紫外線を浴びなさすぎるとビタミンDの生成が滞って、不足してしまうということが極まれにありますね。
また、子供のときに紫外線を浴びなさすぎると近視になりやすくなるという説があるようです。ほかには、日焼けサロンがあることでわかるように、爽快感を得られますよね。
マイナス面では、シミ、しわ、たるみができやすい。肌を老化させ、しまいには皮膚がんを引き起こしかねないという点があります。
マイナス面の方が重大なトラブルにつながるので、皮膚科としては「なるべく紫外線は浴びないようにしましょう」と言っていますが、あまり過剰になりすぎなくてもいいと思います。
「日焼け止め」と「サンオイル」!それぞれのメリット・デメリット
Q7.日焼け予防の「日焼け止め」ですが、メリット・デメリットを教えてください
メリットは紫外線を浴びないようにして肌を守り、シミ、しわ、たるみを予防しているということがあります。
デメリットは、日焼け止め自体でかぶれる方もいるということと、ものによってはニキビなどの原因になり得るということでしょうね。
Q8.日焼けするための「サンオイル」ですが、メリット・デメリットを教えてください
地上に降り注いでいる紫外線は、UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)に分かれます。
肌に悪く、ダメージが大きいのがUVBで、このB波をカットしてくれるんですね。そして、UVAだけを浴びることで肌を黒くしていくという解釈だったのですが…。
よくよく調べてみると、UVAもシミ、しわ、たるみ、皮膚がんを引き起こし得るということが分かったんです。ですから、サンオイルを塗って肌を焼くということは時代遅れということになっていますね。
もちろん、何も塗らずに焼くよりはいいんですけれども、決して安全ともいえないです。
Q9.日焼けサロンで肌を焼くことは、自然よりトラブルは少ないんでしょうか?
日焼けサロンも危険なUVBをカットして、安全なUVA だけを照射しているという考えだったのですが、安全ではないということが分かってしまいました。
アメリカの一部の州やオーストラリアなどでは、未成年の日焼けサロンを禁止にしているところもあるくらいです。
医師が伝授!日焼け後の正しいケア
Q10.日焼けをした後は、どのようなケアをするべきでしょうか?
日焼けをした後は体の中で炎症が起こっているので、炎症を鎮めるため抗酸化作用のある食べ物をたくさん摂取する必要があります。
イチゴやトマト、スイカなどを食べるとか、ビタミンC 、ビタミンEのサプリを飲んでください。
また、肌の“ひりひり感”を抑えるためにクーリングをして、落ち着いたら保湿をするということも大切です。
監修日:2020年3月5日
歯科こえでは、お口のトラブルをサポートする情報を掲載しています。読者の方々が抱える悩みや症状、その原因を解説し、治療方法なども記載しています。また、歯科こえコラムの全記事を歯科医師が監修しています。