横向きに生えた親知らずが口腔内を悪化!麻酔を使った抜歯の方法を紹介


親知らず_横向き

抜歯の中でも特にやっかいなのが親知らずです。ただでさえ現代人のスペースの狭い顎に、サイズの大きな歯が後から入り込むわけですからなおさらです。まっすぐ生えるケースは少なく、横から生えてしまうことも珍しくありません。

今回は横向きの親知らずとは一体どのような状態を指すのかといった基本的なことから、横向きの親知らずを抜いた方がいい理由や、横向きの親知らずの抜歯の手順やリスクについても詳しく解説していきます。

1.横向きの親知らずとは?

歯にはそれぞれの部位により果たすべき役割が異なります。前歯はものをとらえて噛みちぎり、奥歯はそれをさらに細かくすりつぶします。

ですから、食べ物をすりつぶす役割を担う大臼歯の一つである親知らずは、本来なら他の奥歯同様にまっすぐに生えている必要があります。

しかし多くの場合、親知らずが生える時期にはすでに歯は生えそろっていて、まっすぐに生えるスペースはありません。そのため狭い隙間をぬって無理やり生えてくるため、本来上に向かなければならない部分が第二大臼歯(7番)の方に向かって生えてしまうことがあ
ります。それが横向きの親知らずです。

横向きの親知らずは、一部または全部が歯茎に埋まっていることがほとんどです。隣接する第二大臼歯(7番)に向かって、斜めに生えてなおかつ一部が埋まっている状態を「不完全埋伏智歯」(ふかんぜんまいふくちし)と呼び、真横を向いて完全に埋まっているものを「水平埋伏智歯」(すいへいまいふくちし)と呼びます。

難易度としては、完全に親知らずが骨の中に埋まっているケースの方が一部表出しているケースよりも難しく、神経が近かったり、根の形が変形していたりすれば入院をすすめられることもあります。

1-1 斜めや横向きに生えた歯をそのままにしておくと?

腫れや炎症を引き起こす

斜めや横向きに生え、なおかつ親知らずの一部が表出していると、どうしても歯ブラシが当たりづらく、腫れや炎症が起こりやすくなります。奥歯用の歯ブラシなど、細かい部分まで磨きやすい歯ブラシを使ってもきれいな状態を保つことは困難です。
ほとんどの場合、歯冠歯周炎という歯肉まわりの炎症を起こしてしまいます。ただ、炎症があるうちは麻酔が効きづらく抜歯が難しいため、抜歯はある程度炎症が収ってからになります。

虫歯になりやすい

その形状からどれほど磨いても清潔な状態を保つことは難しい斜めや横向きに生えた歯。当然虫歯にもなりやすく、虫歯になってしまえば、接触している部分から、隣の歯にも虫歯が乗り移ってしまう可能性があります。親知らずに隣接する第二大臼歯(7番)はものをよく噛むためにはとても大切な歯です。親知らずが虫歯になれば、第二大臼歯にも影響を与えかねないと言えるのです。

歯並びを悪くしてしまう可能性

これは、全員の方に当てはまるわけではありませんが、親知らずが完全に真横に生えており、第二大臼歯(7番)にしっかりと頭突きをしてしまっている場合は、親知らずが全体の歯を押して歯並びを悪くする可能性があります。
それは親知らずが現在進行形で成長を続けているかどうかにもかかっていますが、歯はその向きで上へと伸びていく性質があり、真横に生えていてかつ隣の歯をしっかりととらえてしまっていると、隣の歯を押していくことで全体の歯並びを歪めてしまう可能性も否定できません。

歯根が短くなる

親知らずが隣接する歯を頭突きしているわけではなくても、当たっている場所が隣接する歯の根っこの場合、歯根を圧迫することで、隣接する歯根が短くなってしまう場合があります。歯根が短くなってしまうと、当然歯は脆くなってしまい、歯を失うリスクが高まります。

1-2 真横を向き完全に埋まっている歯をそのままにしておくと?

一方、完全に埋まっている歯は虫歯になることはないので、周辺の歯に問題がない場合、基本的には経過観察で問題がないといえます。ただ横向きの場合は、生えている位置関係から、当然周辺の歯に負荷をかけてしまうことが多く、抜歯を進められることがほとんどのようです。

1-3 抜くなら今のうち?親知らずを早めに抜くメリットとは

若いうちに抜くほど、抜歯後の回復が早い

親知らずを早めに抜いた方がいい理由としては、20代のうちの方が抜歯後の大きな穴が塞がりやすいことが挙げられます。
通常、親知らずを抜歯するとその穴は血餅で満たされ、30日くらいかけて骨から血餅の中に血液が入り込むことで肉芽組織に置き換わり、その表面は伸びてきた歯茎で覆われていきます。しかし年齢が進むほど回復が遅くなり、場合によってはドライソケットという血餅がうまく作られず抜歯後の痛みが消えないことがあります。また、これから妊娠を考えている方や仕事が忙しい方などは、親知らずはいつ痛み出すか分からないことから、なるべく早めに抜いておくことで将来のリスクに対処するという考え方もあります。

口臭が軽減する

親知らずはその位置や形状などから磨きづらい部位であり、どう気をつけて磨いても磨き残しが生じてしまいます。そのためその部分が臭ってしまうことがあり、口臭の原因の一因ともなります。

頭痛や肩こりの緩和

頭痛や肩こりの原因が、血行不良であることは広く知られていると思いますが、口腔内の環境もその原因の一つとなり得ることはあまり知られていないことかもしれません。

特に横向きに生えた親知らずはその向きから歯並びに影響を与えやすく、放置していれば噛み合わせの悪化を招くこともあります。噛み合わせが悪化すると、本来負担がかからないところに負担がかかるなど身体全体のバランスが崩れ、その結果血行不良を招くケースがあると考えられています。

歯並びに影響を与えない

横向きの親知らずは多くの場合、その位置から歯並びに影響を与えてしまいます。歯は徐々に動いていくため、なるべく早いうちに抜歯をすることが歯並びに影響を与えないためにも大切です。

2.親知らず抜歯の際に使われる麻酔の種類

近年、歯科治療において無痛治療を望まれる方が増えていますが、親知らずの治療においてもさまざまな麻酔の方法が考えられます。麻酔については、症状や医院によっても行える麻酔方法が異なるので、希望する麻酔方法があるなら、あらかじめ医院のHPなどで調べておくことをおすすめします。

2-1 表面麻酔

表面麻酔とは、麻酔針を刺す時のチクッとした痛みが怖い人のための、いわば麻酔のための麻酔です。

直接歯茎に塗るタイプや、コットンに染みこませたものを貼るタイプなどがありますが、どちらも歯茎の感覚を鈍麻させ、注射の痛みを和らげる目的で使われています。

熟練した医師であれば痛点を避けて麻酔を打つため、表面麻酔を行わなくても痛みが倍増するわけではありません。

2-2 局所麻酔

歯科治療における麻酔は、ほとんどが局所麻酔となり、文字通り身体の一部に効く麻酔を指しています。局所麻酔は「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」に分けられます。

浸潤麻酔

一般的に歯科における麻酔はこちらを指しています。治療する歯の近くの歯肉に麻酔を行い、骨の神経を麻痺させることができます。

伝達麻酔

伝達麻酔は下の歯の大臼歯など、骨が厚く薬が効きづらい部分の治療に主に用います。神経が枝分かれしていく根本に麻酔を行うため、全体に効きやすく、浸潤麻酔より長くその作用が続きます。

2-3 笑気麻酔

保険適用の麻酔法である笑気麻酔は、主に歯科への恐怖が強い人や、高血圧などの持病がある方などに適用される方法です。笑気という麻酔ガスを吸い込むことで、意識レベルを少し下げ不安や恐怖心を軽減させることができます。

子供などにも可能な麻酔法で、ガスを吸入し続けながら治療を行い、治療後はマスクを外してしばらくすると元に戻ります。意識レベルを下げるといっても意識を失うわけでも眠ってしまうわけでもなく、人体にも無害なので歯科恐怖症の方には人気のある方法です。

ただ、笑気麻酔を取り扱っていない医院もあるので希望する方は前もって直接医院に確認してみましょう。

2-4 静脈内鎮静法

静脈内鎮静法とは、その名の通り静脈内に精神安定剤を点滴することで眠っているうちに手術を行う方法です。精神安定剤の組み合わせ方によっては、意識がある状態で行うことも可能で、局所麻酔と併せて使用します。

静脈内鎮静法は、患者さんによって鎮静薬の配合が難しいため、歯科麻酔専門医でなければすることのできない麻酔になります。

2-5 全身麻酔

歯科治療において全身麻酔を行うケースは少ないと言えますが、ゼロではありません。親知らずでいえば横向きに完全に埋まっている親知らずにおいては、その難易度から全身麻酔になるケースも少なくありません。意識が全くない状態での手術となるので、手術中の痛みは全く感じることはありません。

基本的に入院することになりますが、病院によっては日帰りで対応しているところもあるなど、さまざまです。入院日数は多くは1 泊2日のところが多いと言えますが、症状や親知らずの本数によっても変わってきます。

3.横向き親知らずの抜歯の方法

横向き親知らずは基本的に歯のすべてまたは一部が埋まっている状態なので、そのまま抜歯することはできません。

ですからまずはメスで切り、歯肉部分を開くことになります。一度に抜くことは難しいため、通常は頭と根に切り分けて抜く場合が多いようです。

まっすぐ生えている親知らずを除き、横向きの親知らずは診断を受けると大学病院にある歯科口腔外科など専門的な設備が整った病院での抜歯をおすすめされることがほとんどです。

親知らずの中でも歯茎を大きく切開する必要のある水平埋伏智歯が一番難易度が高いと言えますが、さらに以下のようなケースに当てはまれば当てはまるほどに難度が上がっていきます。

3-1 神経に近い親知らず

もともと親知らずは一番奥の神経に近い位置にあるため、人によっては神経を巻き込む形で生えている場合もあります。X線で神経に近いと判断された場合、CTをすすめられることがほとんどです。

CTは歯や骨を立体的に見ることができるため、レントゲンでは神経にあたっているように見えても、CTで見ると少し距離があることが分かることもあります。抜歯により神経を傷つけるリスクがあると判断された場合は、大学病院など歯科口腔外科を専門に扱う大きな病院にかかることが大切です。

3-2 根の形が複雑な親知らず

根の形が複雑な親知らずも難易度の高い抜歯の一つと言えます。レントゲンやCTなどで予め把握できる場合もありますが、手術を行う中、途中で根を残したまま折れてしまう場合もあります。

通常は感染さえなければ、根が中に入ったままでも問題はないと言えますが、感染を起こしてしまった場合は骨の中から掻き出して取り出す必要があります。
その場合も、一般的な歯科医院では難しいので大きな病院を紹介してもらいましょう。

4.まとめ

ただでさえ痛みや腫れが強く出やすい親知らずの抜歯。横向きの親知らずであれば、なおさら不安に思うかもしれません。ですが抜くならば早い方がリスクは少なく、回復も早いのは事実です。違和感に気づいたらなるべく早く歯医者さんで相談してみて下さい。

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