歯磨きで虫歯を予防!予防大国・スウェーデンの歯磨きテクを解説


虫歯は、夜も寝られないほどズキズキと痛むことがあります。誰もが「もう二度と、虫歯になりたくない」と思っているはずですよね?

さて、虫歯を予防するための基本は「歯磨き」です。しかし、多くの人が「ちゃんと歯磨きしていたのに虫歯になった…」と悩んでいるのが現実です。中には、本当に歯磨きで予防できるのか疑っている人もいるかもしれません。

そこで、こちらの記事では「虫歯を予防するための正しい歯磨き方法」を解説することにしました。今までの歯磨き方法を見直して、末永く、歯の健康を守るための第一歩を踏み出しましょう。

1.虫歯を防ぐ!正しい歯磨きテクニックを解説

歯磨きの目的は、「歯垢を取り除くこと」です。適当にゴシゴシ動かしても、効率的に歯垢を落とすことはできません。力任せに磨くのはやめて、正しいブラッシング法を身につけましょう。

歯磨き_虫歯_正しい歯磨き

1-1 歯磨きの基本テクニック

自己流の歯磨きでは、十分な予防作用を期待できません。まずは、「歯ブラシの正しい使用法」を確認しましょう。歯科医院でも推奨される磨き方には、「スクラビング法」と「バス法」の2種類が存在します。

スクラビング法

スクラビング法は、「歯に対して垂直に歯ブラシをあてる方法」です。毛先全体が接触するので、歯の表面を効率的に磨けます。強くあてると毛先が曲がってしまうので、軽い力で小刻みに動かしてください。大きく動かすのではなく、歯ブラシを振動させるような感覚です。

この方法は、歯の表面に付着した歯垢を落とすのに向いています。歯周病になっていなくて、「虫歯を予防できれば十分」という人におすすめの磨き方です。

バス法

バス法は、「歯に対して斜め45°に歯ブラシをあてる方法」です。歯ブラシの毛先を「歯と歯茎の境目」に向けて、斜め45°です。毛先が歯茎にもあたるので、力を入れすぎないように注意してください。歯茎を傷つけないように、軽い力で小刻みに動かします。

こちらの方法は虫歯だけでなく、「歯周病の予防・進行抑制」にも適しています。「歯磨きで出血する」「歯茎に違和感がある」など、歯周病の自覚がある人におすすめです。歯と歯茎の境目にある溝(みぞ)を「歯周ポケット」と呼んでいて、歯周病は歯周ポケットの中で進行していきます。歯周ポケットの内側を磨けるバス法は、歯茎の健康を守る磨き方と言えるでしょう。

ココがポイント!
歯磨きで虫歯を予防するには、正しい磨き方をマスターする必要がある!

◆スクラビング法
◆バス法

2つの磨き方が、正しい歯磨きの基本!

1-2 虫歯予防に役立つ!歯磨き粉の選び方

歯磨き_虫歯_歯磨き粉

実のところ、歯磨きで大切なのは「歯ブラシの毛先で歯を掃除すること」です。歯磨き粉の種類はそれほど重要ではなく、たとえば、歯磨き粉に含まれる「殺菌成分」に大した意味はありません。虫歯菌は歯垢として歯に付着していますから、物理的に取り除けば十分なのです。化学物質による殺菌は気休め程度にしかなりません。

ただ、「歯磨き粉なんて無意味」と決めつけるのは早計です。殺菌成分などに大きな期待はできませんが、1つだけ「虫歯予防に役立つ成分」が存在します。虫歯予防に有用なおすすめの成分は「フッ素」です。

フッ素は、エナメル質を強化する成分!

フッ素には、歯の表面―エナメル質を強化する働きがあります。厳密には「フッ素」そのものではなく「フッ化ナトリウム」などの「フッ化物」を使っていますが、世間一般でフッ素と呼んでいるので、記事内でも「フッ素」と記述します。

エナメル質は酸に弱く、虫歯菌がつくる乳酸で溶けてしまいます。エナメル質を構成している物質―「ハイドロキシアパタイト」が、あまり酸に強くないからです。

しかし、フッ素にはエナメル質を強化する力があります。「ハイドロキシアパタイト」を「フルオロアパタイト」という物質に変えるからです。「フルオロアパタイト」は酸に強いので、虫歯になる確率が下がります。

歯磨き粉を選ぶときは、「フッ素濃度」に着目!

フッ素を利用した虫歯予防を考えているなら、フッ素濃度に着目しましょう。2017年9月現在、日本では「1,500ppm以下」のフッ素濃度が認められています。誤差で「1,500ppm」を超えないように、市販の歯磨き粉では「1,450ppm」が最大濃度となっています。

基本的に、フッ素濃度が高いほど虫歯予防の作用は強くなる…と考えてください。できるかぎり、「フッ素濃度:1,450ppm」の歯磨き粉を選んだほうが、虫歯になる確率を抑えられるでしょう。

公益財団法人―ライオン歯科衛生研究所の発表によると、「フッ化ナトリウム濃度1,100ppmの歯磨き粉を使うことで、歯の根元にできる虫歯が67%、歯の上部にできる虫歯が41%減少」という統計結果が得られたそうです。フッ素の予防作用については、「一定の信頼性がある」と考えて問題ないでしょう。

参照URL:https://www.lion-dent-health.or.jp/basic/basic14.htm

ココがポイント!
虫歯を予防する成分は存在する!

◆フッ素

歯磨き粉で虫歯予防するなら、「フッ素配合の歯磨き粉」がおすすめ!

1-3 予防大国―スウェーデンの歯磨きテクニック

スウェーデンは国全体で虫歯予防にとりくんだ結果、非常に虫歯が少ない国として知られるようになりました。80歳以上の高齢者にも、「自分の歯が20本以上残っている人」がたくさんいるそうです。

日本でも、厚生労働省と日本歯科医師会が「8020運動」を続けてきました。これは「80歳になっても、自分の歯を20本残せるように」という虫歯・歯周病予防の運動です。しかし、現在でも「8020」は達成されていません。75歳以上の高齢者は、歯の平均本数13.3本となっています。

スウェーデンと日本の差を考えると、「虫歯予防に関してはスウェーデンを見習うべきだ」と結論づけるしかありません。スウェーデンで歯科の研究をおこなっている大学―イエテボリ大学が推奨する歯磨きテクニックを学ぶことにしましょう。

イエテボリ・テクニック

まず、歯磨き粉は「フッ素配合」の製品を使います。可能なら、「フッ素濃度=1,450ppm」の歯磨き粉を使用してください。1回の歯磨きに対して、1.5g(2cm程度)の歯磨き粉を使います。ただし、お子さんは0.5gにとどめてください。

次にブラッシング方法ですが、「歯ブラシを斜め45°の角度であてる磨き方(=バス法)」を採用します。歯周ポケットの方向に歯ブラシを傾けて、小刻みに動かすようにしましょう。「動かす」というより、「振動させる」と表現したほうが正解に近いかもしれません。

1本1本の歯をきちんと磨くため、「歯1本に対して、歯ブラシを10往復させる意識」を身につけてください。最低でも3分間、できれば10分間かけて、すべての歯を磨きます。「歯の表側」「歯の裏側」「噛み合わせ面」など、磨き残しがないように注意してください。

歯を磨き終わったら、口の中に残っている泡を吐き出さずに少量の水を口に含みます。「おちょこ1杯」くらいの水で十分です。歯磨き粉の泡と一緒に軽くゆすいで、吐き出してください。あまりブクブクせず、軽くゆすぐだけにしてください。丁寧にうがいをすると、歯磨き粉に含まれていたフッ素が流れてしまうからです。

この方法で歯磨きをしたら、2時間は飲食を控えてください。その代わり、歯磨きをするのは1日2回で構いません。3回以上の歯磨きをしても、虫歯の予防作用に違いは見られなかった…というデータがあるからです。

以上がイエテボリ・テクニックの磨き方です。スウェーデン流の歯磨き―イエテボリ・テクニックを取り入れて、ぜひ、虫歯のリスクコントロールを目指してみてください。

ココがポイント!
スウェーデンの歯磨き方法で虫歯予防!

◆イエテボリ・テクニック

フッ素&バス法の組み合わせが、口の中の健康を守る!

2.歯磨きで、虫歯は予防できる!

歯磨き_虫歯_虫歯予防

ひょっとしたら、「本当に歯磨きで虫歯予防できるのかな…?」と疑念を抱いている人もいるかもしれません。きちんと歯磨きしているのに虫歯になった経験があれば、不安になるのは当然だと思います。

ただ、歯磨きに虫歯予防の作用があることは確かです。ここからは、「歯磨きは、口の中の健康を守るのに役立つ」という根拠を解説したいと思います。

2-1 歯科医院でも「歯磨き指導」を実施!

歯科医院でも、患者さんに正しい歯磨き方法を教えています。実際、歯磨き指導は「保険診療」として認められています。健康保険が適用になるのは、「診療報酬」という規定に含まれている処置です。ブラッシング指導には、「歯科衛生実地指導料」という診療報酬が存在していて、きちんと保険診療の1つになっているのです。

健康保険が適用になるということは、厚生労働省が「意味のある処置」と認めていることを意味します。この事実を踏まえると、「正しい歯磨きをマスターすることは、虫歯予防に役立つ」と考えて間違いありません。

2-2 初期虫歯「CO」は歯磨き改善で治ることも…!

当然ながら、歯に穴があいてしまったら、いくら歯磨きをしても治りません。歯科医院を受診して、治療を受ける必要があります。

ただし、「ごく初期で、穴があく前の虫歯(CO:要観察歯)」ならば、話は違ってきます。歯の表面―エナメル質に含まれる「カルシウム」「リン」が溶け出しているだけで、物理的に穴があいているわけではないからです。「CO」の段階なら、まだ自然治癒する見込みがあります。

実際、歯科医院でも「ごく初期の虫歯」に対しては、歯磨き指導をして経過観察するだけにとどめることがあります。正しい歯磨きをマスターすれば、治る可能性があるからです。「虫歯が治る」というのは言い過ぎにしても、「虫歯になりかけている歯を救うことができる」というのは間違いありません。

ココがポイント!
歯磨きには十分な予防作用がある!

◆歯科医院でも歯磨き指導は保険適用
◆脱灰状態「CO」は歯磨きで治ることもある

正しい歯磨きは、口の中の健康を守るための基本!

3.まとめ

正しい歯磨きテクニックは、歯科衛生士の方に教わることもできます。身につければ、虫歯になる確率を減らすことができます。特におすすめしたいのは、「フッ素」と「バス法」を組みあわせたスウェーデン式の歯磨き―イエテボリ・テクニックです。

虫歯の初期段階―「CO(要観察歯)」なら、歯磨きの方法を変えるだけで改善することもあります。少し拡大解釈をするなら、「歯磨きで虫歯が治る」という言い方も、まったくの嘘ではありません。歯磨きの可能性を信じて、今日からでも「正しいブラッシング法」を身につけてください。

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監修医 貝塚浩二先生

コージ歯科


院長:貝塚 浩二


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