【虫歯治療】メリット・デメリットは?痛みのない削らない治療はできる?

【虫歯治療】メリット・デメリットは?痛みのない削らない治療はできる?

従来の虫歯治療は、虫歯の部分を大きくタービンで削り、必要なら神経の治療をしてから詰め物や被せ物をするという方法でした。

今現在もこの治療方法が一般的に広く用いられていますが、近年できるだけ痛みを感じない治療、なるべく削らない治療も普及してきています。患者さんの負担を減らす治療法として興味を持つ人も多いでしょう。

この記事では、患者さんの負担を抑えるための工夫がある虫歯治療の方法と治療にかかる費用の相場をご紹介します。日本で受けられるもの、受けられないものがあるのでご了承ください。

この記事の目次

1.負担を抑える虫歯治療方法とその費用

1章では患者さんの負担を抑えるため考えられている虫歯治療を4つ挙げ、それぞれの治療方法とかかる費用をご紹介します。

1-1 レーザー治療

歯の治療には、歯を削ることを目的として開発されたEr:YAGレーザーが使用されています。レーザーは水を併用して使用し、瞬間的な高温で虫歯部分を蒸発させることで虫歯を治療します。生体組織の水分に対する反応が高い、発熱が少ないなどの特徴があります。

治療方法
虫歯の部分に水を併用し、レーザーを照射します。

目安費用
虫歯1本あたり2,000円程度

メリット
振動がなく嫌な音もありません。初期虫歯や歯周病、進んだ虫歯にも使用することができ、痛みが少ないです。健康な部分を削りすぎないため、周囲の影響がほとんどありません。子供の虫歯にも使用することができます。

デメリット
治療時間が長くかかります。複雑な虫歯には使用できないこともあり、対応できる治療が限られます。

1-2 薬剤で虫歯を除去

アメリカで「虫歯を削らずにミネラルで殺菌する」という考えのもとに開発された治療法があります。

銅、亜鉛、リン、アルミ、酸化チタンなどが主な成分です。今までの治療法では、患部を削り詰め物を被せるといったものでしたが、アメリカの歯科医院では虫歯を除去する薬剤も一般的に使用されています。

(初期虫歯には使用しません。)

治療方法
虫歯の部分をほんの少しだけ削り、その部分に特殊な薬剤を詰めて虫歯菌を除去します。

目安費用
虫歯1本の治療費 約5,000円

メリット
従来の治療法であれば神経をとらなければならないような虫歯も、神経をとらずに済む例が多いです。殺菌作用の強いミネラル成分が虫歯菌を殺菌するので、たとえ虫歯の部分が残っても、再発しにくいです。治療の回数が少なく、治療中の痛みをほとんど感じることはありません。

デメリット
強い痛みがある場合には使用できません。自由治療のためトータルでは高額な費用がかかります。治療後にも定期的な検診が必要です。

1-3 手用切削補助液を用いた虫歯治療

手用切削補助液は、アメリカやヨーロッパでは一般化しています。日本では現在輸入販売中止となっています。弱い濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液とアミノ酸などの溶液を使用します。

治療方法
溶液を象牙質の虫歯部分に塗布し、柔らかくなった部分を特殊な器具で取り除きます。

目安費用
歯1本で約5,000円~10,000円程度

メリット
歯を削る必要がなく、虫歯部分だけを取り除くことができます。神経に近い虫歯の治療もできます。

デメリット
ゆっくりと時間をかけて患部を治療するため、治療時間が長くかかります。

1-4 殺菌作用のある物質を照射する治療

ドイツで開発された治療法で、虫歯菌を殺菌するというものです。ドイツ、ヨーロッパ諸国、アメリカなどで使用されています。虫歯菌を取り除き唾液での再石灰化を図ります。軽度の虫歯から症状が進んだ虫歯にまで使用することができます。

治療方法
丁寧に歯をクリーニングしてから、器具のシリコンキャップにより真空状態を作ります。虫歯の部分に殺菌作用のある物質を照射し、殺菌します。照射時間は10~40秒です。

目安費用
虫歯1本につき約3,000円

メリット
必要以上に虫歯を削らなくて済みます。痛みを感じにくい虫歯の治療が可能です。神経を残せる可能性が高く、薬剤を使用しないため副作用もありません。

デメリット
新しい治療方法のため臨床データが少ないです。進行した虫歯の場合には、殺菌作用のある物質を当てるために歯を削る必要があります。

2.従来の虫歯治療

虫歯治療

従来の虫歯の治療は、虫歯の部分をタービンという器具で削って除去するという方法です。虫歯だけでなくその周辺の歯質も削ってしまうので、どうしても削る量が多くなってしまうことがあります。象牙質まで進んでしまった虫歯の場合には、痛みを伴うので麻酔は欠かせません。

また削ったところに詰め物や被せ物をすると、そこから虫歯になるリスクが高まるともいわれています。しかし、従来の虫歯治療方法を実施している歯科医院でも、今はなるべく痛くない、削らない治療をするようになっています。

痛みの少ない電動注射器や、コンピューター制御の麻酔注射器の使用、細部まで確認できるマイクロスコープや虫歯測定器なども、最近多くの歯医者さんで使用されるようになってきました。

3.まとめ

今は「痛みの少ない」、「あまり歯を削らない」治療が主流になってきています。

従来の虫歯治療でも、年々新しい器具や薬剤が普及してきていることにより、治療は向上していますが、さらに患者さんの負担を抑える虫歯の治療が研究されています。

日に日に治療法が増え続けていく中、自分がどのような治療をしたいのか、それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで治療方法を選択しましょう。

執筆者:歯科こえ 編集部

歯科こえでは、お口のトラブルをサポートする情報を掲載しています。読者の方々が抱える悩みや症状、その原因を解説し、治療方法なども記載しています。また、歯科こえコラムの全記事を歯科医師が監修しています。

監修医 野崎康弘先生

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医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院

院長:野崎 康弘

住所:東京都台東区蔵前2-6-3 ジエイエムビル5F
野崎 康弘先生
【虫歯治療】メリット・デメリットは?痛みのない削らない治療はできる? 2019-11-27T10:59:47+09:00
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