噛むと痛い歯の状態を解説!症状に合わせた治療法と注意すべきこと3つ

噛むと痛い歯の状態を解説!症状に合わせた治療法と注意すべきこと3つ

普段は平気なのに食事をしているときなど、噛むと歯に痛みが走る。そんな場合に真っ先に考えるのは虫歯ですが、噛むと歯が痛いのは、歯根膜炎が原因かもしれません。この記事では、噛んだときの歯の痛みの原因と治療法を紹介します。それでは、まず歯根膜炎がどういうものか見ていきましょう。

この記事の目次

1.噛むと歯が痛い!歯根膜炎ってなに?

歯の根の周りには繊維の束でできた膜「歯根膜」があります。歯根膜は、歯を支えるクッションの役割をしているとともに、噛んだときに硬いもの、柔らかいものなどを判断する働きもあります。

この歯根膜が、何らかの理由で炎症を起こしている状態を歯根膜炎と言います。歯根膜は敏感なので、炎症を起こすと噛むと歯に痛みが生じます。歯根膜炎が起こる主な原因は6つあります。原因によって解決方法も異なるので、歯医者さんで炎症の理由を判断してもらって適切な治療を受けるようにしてください。

2.歯根膜炎になる理由は?6つの原因と治療法を紹介

2-1 虫歯

明らかに虫歯がある場合は、その穴の中に食べカスが入り込んで、噛んだときに神経が圧迫されて痛みを感じることもあります。しかし、見た目は歯に異常がないのに噛むと痛みがあるのは、歯根膜が虫歯菌に感染して炎症を起こしている可能性があります。

治療法
歯の根の治療「根管治療」を行います。虫歯に感染した神経を抜き取って、根管を消毒してから薬を詰めます。神経を抜く場合は麻酔を行いますが、痛みが強い場合は麻酔が効きにくいです。そのため、数日間痛み止めを飲んで、痛みを抑えてから根管治療を行うようにします。

2-2 歯周病

歯周病によって歯を支えている骨が溶けて、歯がグラグラと揺れる状態になると歯根膜が炎症を起こします。

治療法

重度の歯周病の症状です。歯垢や歯石を除去する歯周病の基本的な治療だけでなく、外科的な再生療法によって溶けてしまった骨を再生させる必要があります。

2-3歯ぎしり・噛み合わせ

歯ぎしりや噛み合わせが悪いことによって、長期にわたって歯に必要以上に力がかかる状態が続くと、歯根膜炎を起こす場合があります。

治療法

歯ぎしりが原因の場合は、就寝中に装着するマウスピースで改善を図ります。マウスピースは市販の物もありますが、ぴったりはまる物が良ければ歯医者さんで歯形を取って作ってもらいましょう。また、起きているときは食いしばりや堅いものを噛まないよう気をつけてください。

噛み合わせが原因の場合は、歯医者さんに相談して歯列矯正をすることで改善しましょう。詰め物や被せ物が原因で噛み合わせが悪くなっている場合は、調整や新しい技工物を詰め直すようにしてもらいます。

2-4神経の治療を受けた後

歯の根の治療「根管治療」を行った後に、歯根膜炎が起きることがあります。根管治療では、細菌に感染した箇所をしっかり取って、歯の根の先まできれいにすることが重要です。そのため、根の先に接している歯根膜に刺激が加わって炎症を起こします。

治療法

痛みは2~3日で消えることが多いです。痛みが強い場合は、痛み止めを服用してください。痛みが長引く、腫れがある場合は、化膿して中に膿が溜まっている可能性があるので、歯医者さんで膿を取り除いてもらいます。

2-5歯の破損や外傷

歯に強い衝撃が加わることで、欠損やひび、神経が死ぬなどの状態になり、歯根膜炎が起こる場合があります。ダメージを受けた歯はもちろん、放置しておけば欠損によって噛み合わせのバランスが変わり、周りの歯に負担がかかって痛みが出ることも考えられます。

治療法

ダメージを受けた歯を接着剤で固定して歯根膜を安静させる必要があります。2週間ほどで接着剤を除去して経過観察に移ります。神経が死んでしまった場合は、根管治療を行います。

2-6 上顎洞炎(じょうがくどうえん)

上顎洞とは、鼻の横、頬骨の奥、目の下あたりにある空洞のことです。そこにある粘膜に炎症が起きることを「上顎洞炎」と言います。上顎洞は上の歯の歯根膜と近い位置にあるため、上顎洞炎の影響を受けて歯に痛みが出る場合があります。

治療法

抗生物質を2~4週間、服用することで歯の痛みが次第になくなっていきます。また、上顎洞炎に関しては、耳鼻科の受診が必要になる場合もあります。

3.歯が痛いとき、やってはいけない3つのこと

3-1歯を触らない

痛みのある歯を指や舌で触らないようにしましょう。また、痛みが気になって試しに何度も噛むのも避けてください。刺激を与えることで痛みがひどくなる場合があります。

3-2アルコールを取らない

お酒を飲むことによって一時的に痛みを忘れることはできますが、アルコールの作用で血液の流れが良くなるため、痛みが増す原因となります。

3-3 熱いお風呂や運動は控える

熱いお風呂や運動は血圧を上げます。そうすると、アルコールと同様に血液の循環が良くなって痛みが強くなります。

4.歯根膜炎、どうすれば予防できるの?

4-1 歯のお手入れが大切

虫歯や歯周病、根管治療後に起こる歯根膜炎は、もとをただせばお口の環境が悪化して細菌に感染したことが原因です。そのため、歯根膜炎を予防するためには、毎日のお口のケアが重要となってきます。

歯磨きだけでは歯と歯の間の磨き残しが多く、虫歯や歯周病を発症しやすくなるので、デンタルフロスや歯間ブラシも有効活用しましょう。

4-2歯医者さんで定期検診を受ける

歯磨きやデンタルグッズを使用したケアを行っても、歯垢をすべて取り切れるものではありません。歯に付着した死んだ細菌の塊である歯石にいたっては、セルフケアで取り除くのは難しいです。そのため、歯医者さんで定期検診を受けて、虫歯や歯周病から歯を守りましょう。

5.まとめ

「噛む」ことは、毎日何度も繰り返して行う我々の生活にとって必要不可欠な行為です。そのため、噛むたびに痛みを感じていては、日常生活を楽しく送れません。原因は虫歯だけでなく、歯根膜が炎症している可能性もあります。

強い痛みや長引く痛みがある場合は、歯医者さんで診断してもらって適切な治療を受けてください。また、歯根膜炎は歯の寿命にも大きく関わってくるので、予防を心がけることも大事です。毎日のセルフケアと歯医者さんでの定期検診で、お口の健康を維持するようにしましょう。

飯田歯科医院_歯_噛むと痛い

執筆者:歯科こえ 編集部

歯科こえでは、お口のトラブルをサポートする情報を掲載しています。読者の方々が抱える悩みや症状、その原因を解説し、治療方法なども記載しています。また、歯科こえコラムの全記事を歯科医師が監修しています。

噛むと痛い歯の状態を解説!症状に合わせた治療法と注意すべきこと3つ 2020-03-26T16:50:22+09:00
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