赤ちゃんの口に生える小さな歯、大切に守ってあげたいですよね。フッ素や歯医者さんでの定期検診はもちろんですが、お家での毎日のケアも重要になってきます。
お家でできる毎日のケアといえば歯磨きです。まずは歯ブラシに慣れて、自分で磨くことを習慣化させ、仕上げ磨きを卒業するという順番で行いますが、それぞれのステージにあった歯磨きを選ぶことが大切です。
実は、年齢ごとに変わる子供歯ブラシ選びに苦戦しているお母さんは多いのです。
「ヘッドの大きさは?」「毛の硬さは?」「どこで買うのがベストなの?」など、悩むポイントがたくさんある子供歯ブラシですが、ここでは年齢別におすすめの歯ブラシや、そのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
この記事の目次
1.赤ちゃんの子供歯ブラシ選び
個人差はありますが、6カ月頃から前歯が生えてくる子供が増えてきます。小さなお口に大きな成長を見ることができる本当にうれしい瞬間ですね。
この時期は、ガーゼによるケアがメインですが、今後の成長を見据えて歯ブラシに慣れさせると良いでしょう。まずはお口にブラシを入れてコチョコチョすることから始めます。本格的に歯磨きしようとしなくても構いませんので、少しずつ慣らしていってください。
赤ちゃんに持たせるタイプや、大人の指にはめるタイプなどさまざまな商品がありますが、その中でおすすめの商品を紹介します。
大人の指にはめるタイプの歯ブラシ
大人の指にはめてサッとブラッシングできるシートのような歯ブラシです。
■メリット
指にはめるタイプなので、誤ってノドを突いてしまうといった心配がありません。また、高密度ブラシは柔らかく、口内を傷つけないので、赤ちゃんが嫌がることなく楽しい歯磨きタイムを過ごすことができるでしょう。
■デメリット
赤ちゃんによっては、口の中に指を入れられることを嫌うこともあります。お子さんにあっているかどうか考えてから購入するのが良いでしょう。
■購入場所
インターネットを利用した通販などで購入することができます。
価格は、約400円前後です。
2.1歳頃からの子供歯ブラシ選び
1歳を過ぎると離乳食の割合が多くなり、さらに1歳半頃からは奥歯が生え始めます。それまでは歯ブラシに慣れることを目的としてケアを行いますが、1歳は本格的に歯を磨く習慣を付ける必要がある時期です。
まずは自分で持つタイプの歯磨きに挑戦しましょう。短時間から始めて徐々に時間を延ばすと無理なく習慣付けることができます。
歯磨きアプリを使って楽しく磨いたり、砂時計を用意して「この時間は自分で歯磨きできるようにしようね」と声掛けしたりするなど、楽しんで歯磨きができる工夫をしてあげると続けやすくなります。お子さんの歯磨きでは不十分なところもありますので、大人が仕上げ磨きをしてあげましょう。
さらに細かい部分の汚れを磨くため、歯ブラシに慣れたら歯間ブラシにも挑戦させてあげることをおすすめします。
持ち手が輪っか状の歯ブラシ
持ち手が輪っかになっていて、厚みがある手にフィットしやすい設計となっているものは、小さな手でもしっかり握ることができ、誤ってノドを突いてしまうこともありません。
メリット
ブタ・イヌ・ネコ・パンダなどかわいらしいデザインの商品があり、オモチャ感覚で抵抗なく歯磨きすることができるでしょう。
ヘッドの長さやブラシの硬さが、子供の小さいお口にぴったり合うよう設計されており、これ一本で仕上げ磨きまでこなすことができます。たくさんのブラシを用意する必要がなく洗面所がゴチャゴチャしにくいのもうれしいですね。
■デメリット
販売店によっては種類の指定ができないことがあります。
■購入場所・値段
インターネットを利用した通販で購入することができます。
価格は、1本約200円前後です。
3.2~3歳からの子供歯ブラシ選び
自我が芽生えはじめてイヤイヤ連発!もっとも大変といわれるこの時期は、歯磨きも自分でできると仕上げ磨きを嫌がる子も増えてきます。
1歳の時と比べて、できることは増えているので、歯ブラシも次の段階にステップアップしてみましょう。選び方のコツは、ネックに弾力があり、ヘッドの大きさが子供の歯2本分くらいの小さめのものを選ぶことです。
大きめのブラシでは、お口が小さいため奥歯をキレイに磨くことができないので虫歯の原因となってしまいます。仕上げ磨き用を用意する場合も同じ基準で選びましょう。
歯ブラシのタイプが4段階に分かれており、お子さんの成長に合わせてブラシのタイプも選ぶことのできる商品もあります。
■メリット
どんな握り方にも対応できる太めのグリップで、しっかりと歯磨きをアシストしてくれる設計です。手が小さくキチンと持てないお子さんでもキレイに歯磨きすることができます。
力が入ってしまい、歯磨きが痛いと感じる子も多いのですが、このブラシであれば毛先が細く痛くなりにくいので歯磨きを嫌がる子に試してみるのもおすすめです。
■デメリット
売っているところが少ないという点がデメリットです。まずは1本買って試してみたい場合は、1箱買ってお友達同士でシェアしてみるのもいいでしょう。
■購入場所・値段
通販では4本セットや20本セットなどで販売されており、1本で購入する場合は歯医者さんでの購入を検討することをおすすめします。
価格は1本約200円~300円前後です。
4.4~5歳からの子供歯ブラシ選び
乳歯が既に生えそろい、歯磨きの習慣がついてくるお子さんが多くなる時期です。かなりしっかり歯磨きをできる子もいますが、仕上げ磨きにまだまだ手を抜くことはできません。力加減がうまくいっていない子供にブラシの先がとんがったものを与えると歯茎を傷つけてしまう可能性があります。
とはいえ、小さい子用の丸みをおびたタイプのブラシでは十分に汚れを落とすことができません。歯ブラシ選びのコツはブラシの毛が短めで球体がついていないタイプ、少し幅のあるヘッドのものを選びましょう。
また、この時期になると、保育園や幼稚園で歯ブラシを使用する機会もあるでしょう。名前が書けるという点も視野に入れて歯ブラシ選びをしていきます。
子供の口内を知り尽くした小児歯医者さんが設計した歯ブラシです。その名の通り、幼稚園・保育園に通うぐらいの年齢の子供にピッタリの設計がされています。
■メリット
滑りにくい360°エンボスストッパーを採用しているものは、より安全に子供たちが歯磨きをできるのはいいですね。ハンドルも長めなので、仕上げ磨きをする大人にとっても使いやすくなっています。
また、名前が書けるシールが付いていれば、家以外で使う場合にも紛失や他の人のものと間違えてしまう可能性を減らすことができます。
■デメリット
通販で購入の場合、ハンドルカラーを指定できないこともあります。
■購入場所・値段
インターネットを利用した通販や、ドラッグストアなどで購入することができます。 価格は、1本約100円前後です。
5.6~12歳の子供歯ブラシ選び
6歳臼歯が生え始め、永久歯への生え変わりが本格化する年齢です。生え始めの永久歯は弱く、適切なケアを行わなければ虫歯になってしまいます。一生ものの歯なので今までよりも気を引き締めてケアする必要があります。
小学生になると、手もかなり大きくなり、細かな作業もできるようになるので歯磨きが格段に上手になりますが、仕上げ磨きが必要な子もいます。歯医者さんの間でも意見が分かれる問題ですが、高学年でもキレイに磨けていない子も散見されます。その子の能力に応じて仕上げ磨きを行いましょう。
歯ブラシ選びのコツは、ヘッドが小さく、ネックにしなりがあり奥歯まで届きやすいものを選択することです。
乳歯と永久歯の両方が生えている子供のために設計された歯ブラシで、ネックが細くコンパクトなヘッドで奥歯まで磨きやすいというのが特徴です。
毛先も歯茎を傷つけないよう処理されているため、無理なく子供に歯磨きをさせることができます。
人間工学に基づいたグリップを採用しており、握りやすく磨きやすいというのが大きなメリットです。ブラシはコシのあるタイプなので、耐久性があり、すぐブラシが開いてしまう子供たちにもおすすめです。
■メリット
人間工学に基づいたグリップを採用しているものは、握りやすく磨きやすいというのが大きなメリットです。ブラシはコシのあるタイプなので、耐久性があり、すぐブラシが開いてしまう子供たちにもおすすめです。
■デメリット
キャラクターのイラストなどがついていないシンプルなデザインのため、小学生が好む要素が少ないという点があります。
■購入場所・値段
インターネットでの通販を利用すると便利でしょう。
価格は1本約200円~300円です。
6.歯ブラシ選びを間違うとどうなるの?
キャラクターのプリントがされているかどうかやカラー、価格など歯ブラシを選ぶ基準はたくさんあります。子供の歯磨きは力が入ってしまうため、ブラシが開きやすく、あっという間に交換時期がやってくるため、とりあえず買っているという方もいるでしょう。
短い時間だし、大きな影響はないような気がしますよね。しかし、歯ブラシ選びは、お口の健康を守れるかどうかの分かれ道になる大切なポイントなのです。では、もし歯ブラシ選びを間違えるとどうなってしまうのでしょうか?
6-1 大きすぎると磨き残しが多くなる
ヘッドが大きいブラシを選ぶと歯に接する部分が大きくなるので、一気に磨けるような気がしますよね。しかし、実は細かい部分を磨くことができず、磨き残しを大量に作ることになってしまうのです。
磨き残しがあると虫歯はもちろん、歯周病などの原因にもなるので注意が必要です。小さめヘッドのものを選んで丁寧に磨くことを心がけましょう。
6-2 硬すぎる歯ブラシは歯茎を傷つける
硬いブラシだと歯垢を力強く落とせるようなイメージがありますが、歯茎やエナメル質を傷つけてしまうことも多いので注意が必要です。硬いブラシでは、知覚過敏になるリスクが高まり、口内を傷つけることになるので歯磨き嫌いにもつながります。
もしかしたら、お子さんの歯磨き嫌いの原因はブラシの硬さかもしれません。特に子供はブラシにかかる力が強いため、口内を傷つけにくい柔らか目のブラシを使うことが望まれます。
7.子供歯ブラシのおすすめ取り換え時期とは
ちょっと勿体ないかもしれませんが、ブラシが開いた時点で歯ブラシを交換することをおすすめします。場合によっては1カ月持たないこともあるでしょう。
今回ご紹介した歯ブラシの中には箱買いでお得に購入できるものもあるため、買い置きして、こまめに取り換えを行うのもおすすめです。また、ブラシが開いていなくても雑菌が繁殖することもあるので1カ月を目安に交換しましょう。大人の歯ブラシも同様です。
8.まとめ
年齢によって個人に合う歯ブラシは変わっていますが、子供歯ブラシを選ぶコツの基本は、コンパクトヘッドで柔らか目のブラシを選ぶことです。開いたら交換、開かなくても1カ月で交換し、子供たちの口内環境を守りましょう。
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