歯医者が怖い!歯科恐怖症を克服する方法と歯医者選びのコツ


歯科恐怖症

歯医者が怖くてどうしても行けないという方、もしかして歯科恐怖症ではないでしょうか。

虫歯があって歯が痛い、歯茎の様子がおかしい、歯医者に行くべきだとわかっていても、恐怖が先に立ち、どうしても歯医者に行くことができない。そんな方々のために、ここでは歯科恐怖症とは何か、その原因や心身に起こる症状などを解説します。

歯科恐怖症の方が安心して歯医者に通えるようになるための方法や、歯医者さん選びのコツなども紹介しますので、ぜひ役立ててください。

1.歯科恐怖症とは何か、その症状とは

歯科恐怖症は、幼いころに歯科治療で嫌な経験をした、怖かった記憶やにおい、痛みなどがトラウマとなり、歯医者が怖くなってしまう症状のことです。この章では、歯科恐怖症の症状について説明します。

1-1 精神的な影響と症状

歯科恐怖症は、歯科不安症とも呼ばれていて、過去の恐怖体験から心に大きな傷を負ってしまったことで、自分では制御できない不安な気持ちに支配されてしまう症状のことです。

歯医者のことを考えただけで極度の不安とストレスを感じ、逃げ出したい衝動に駆られパニックを起こす、足がすくんで歩けなくなる。眠れなくなるなど睡眠障害を訴える人もいます。

過去に体験した歯医者での痛みの記憶や恐怖心から、白衣、消毒のにおい、ドリルの音などが引き金になることもあります。

1-2 肉体的な影響と症状

精神的なストレスにより、症状は体にも様々な形で出てきます。吐き気や嘔吐などを催す…といった症状をデンタルショックとも呼びます。

血圧上昇、血圧低下、失禁、湿疹、ふるえ、けいれん、冷や汗、脂汗、過呼吸など、様々な症状が体に現れます。歯科恐怖症は単に“歯医者に行けないのではなく、身体にも影響を及ぼすものです。

1-3 歯科恐怖症で症状が悪化する

怖くて歯医者に行けないため、ひどい痛みを感じるようになっても通院せず我慢してしまいます。

そうすると、虫歯や歯周病が進行し歯がボロボロになる、口臭や膿が出る、さらに歯が抜け落ちるということがあり、お口の中がボロボロになってしまいます。

2.歯科恐怖症を克服する方法

軽度なら勇気だけで克服できるかもしれませんが、大きなトラウマを抱えている場合は、それだけで改善していくのはほぼ不可能です。

歯科恐怖症を克服するための方法をぜひ参考にしてみてください。

2-1 始めからきちんと相談する

歯医者の多くは予約制です。予約を取る前に、歯の状態だけでなく、歯科恐怖症であることをきちんと伝えましょう。

電話だけでなく、今はホームページなどからメール相談を受付けている歯医者が増えています。そのときの対応が、自分に合っている歯医者であるかどうかをしっかりと判断しましょう。

2-2 信頼できる歯医者を探す

歯科恐怖症に対しての考えは医師によっても異なります。電話やメールで相談し、よさそうな歯医者があれば足を運んでみましょう。

歯医者へ行ったらすぐ治療をしなければならないと思っている人が多いですが、そんなことはありません。歯科恐怖症であることを伝えたのですから、今度は歯医者の様子、医師の様子はどうか、親身に話を聞いてくれるか、対応が良いかなどを観察しましょう。

カウンセリングで、治療方針や先生、スタッフの様子も把握できます。ここなら通えるかもしれないと思える歯医者を根気よく探しましょう。

2-3 慣れる手順を踏む

歯医者が見つかったら、納得のいくまでカウンセリングの機会を設けてもらいましょう。

まずは、慣れるために診療室に入ることから始め、できたら次は椅子に座ってみる、口を開けてみる、というように、段階を踏んで進めていき、無理をしないようにしましょう。

2-4 治療のイメージができれば恐怖心が和らぐ

歯科恐怖症の方は、何をされるかわからないという不安から恐怖を感じることが多いです。カウンセリングでゆっくり話をしながら、まずは肩の力を抜いてリラックスしましょう。時間や回数がかかることもありますが、少しずつ治療のイメージができるようになり、恐怖心は和らいでいきます。

治療のイメージができるようになれば、心理的に自信を持つことができ、歯科恐怖症を克服することにつながっていきます。

2-5 まずは簡単な処置から

口の中を触れられることに慣れれば、次第に治療も受けられるようになります。まずはお口のクリーニングから始めましょう。“歯医者は怖くない”、“この先生なら安心だ”という信頼関係を築くことが大切です。

3.歯科恐怖症の方に向けた治療法

ここまでの段階を踏めば多くの方は治療を受けられるようになります。現在多くの歯医者は「痛くない」、「怖くない」治療をする傾向にあり、使用する麻酔の針や器具は痛みが少なく、においや音が少ない医療器具を使用しています。

すでに歯の痛みがひどく、急を要する場合や、どうしても怖くて治療は無理だという方には、麻酔を使用した治療法もあります。

3-1 痛みを抑えた治療における様々な工夫

今では、痛みを抑えるために様々な麻酔法や工夫が施されています。

  • 表面麻酔…歯の表面に麻酔液を塗り、歯の表面の神経を麻痺させ注射時の痛みを緩和させる麻酔法
  • 電動注射器…一定間隔で麻酔液を注入することができるので、麻酔液注入時の刺激・痛みを落ち着かせることができる麻酔法
  • カートリッジウォーマー…麻酔液を人間の体温と同じ温度に温め、保たせる装置です。麻酔液は冷たいものより温かいものを使用することで痛みを感じにくくしてくれます。

3-2 笑気ガス

亜酸化窒素を使用した治療法です。吸入することで頭がぼーっとしますが、寝てしまうことはありません。リラックスした状態になり、緊張感がなくなります。

緊張感が和らぐことで、痛みや恐怖を感じにくくなるため、治療を受けやすくなります。子どもでも使用できる安全性が高いガスで、嘔吐反射も防げます。

3-3 静脈内鎮静法

精神安定剤などの鎮静剤を静脈に点滴していく方法で、麻酔科医が行います。数分で体が暖かくなり、リラックスした状態になるためほとんどの方が寝てしまいます。

うとうとしている間に治療を終えるので痛みや音も気になりません。安全性が高く嘔吐反射も防げます。

4.歯科恐怖症の人のための歯医者さん選びのコツ

 今は、「痛くない」、「怖くない治療」に力を入れている歯医者が多くあります。歯科治療の痛みが怖くて歯医者に通えない…などの、悩みをもつ方でも通いやすい工夫が様々施されています。

3章で紹介した痛みを抑えた治療法を積極的に取り入れている歯医者も多くありますし、歯科恐怖症の方でも通いやすい雰囲気の歯医者も増えてきています。

プライバシーに配慮した個室制診療室を設けている歯医者や最近はリラックスできる音楽やアロマテラピーを取り入れている歯医者など、院内環境が非常に充実しており、良い意味で“歯医者らしくない歯医者”も数多くあります。

歯科恐怖症のまま、お口の中を放置してしまうと、歯がボロボロになり取り返しのつかない状態になってしまいます。今の自分のため、将来の自分のために、少しずつ歯科恐怖症を克服しましょう。必ず、自分に合った歯医者さんを見つけることができるので、諦めないでください。

あまりにも歯科恐怖症の症状が重い方は、リラックス歯科治療外来、歯科恐怖症外来、口腔診療科、心療歯科などがお勧めです。アレルギーなどで麻酔が合わない体質の方に催眠療法を応用する歯医者もあります。インターネットでは、歯科恐怖症の取り組みを行っている歯医者さんを探すことができるので、家の近くにあるかどうかを調べてみましょう。

5.まとめ

歯科恐怖症は決して恥ずかしいことではありません。歯医者が怖い原因は何か、それによって引き起こされる症状など、まずは自分自身が歯科恐怖症であることをきちんと理解することが大切です。

次に、信頼できる歯医者さんを見つけ、通院をしながら少しずつ“歯医者”に慣れていくことで歯科恐怖症を克服しましょう。歯科恐怖症の症状が重くなる前に、またお口のトラブルが悪化するまえに自分に合った歯医者さんを探してみませんか。


監修医 飯田尚良先生

 

飯田歯科医院


院長:飯田 尚良


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飯田 尚良先生